eスポーツがオリンピック種目に採用される期待が高まってきています。
では、具体的にいつに開催のオリンピックからeスポーツの競技が見られるのでしょうか?
この記事では、eスポーツがオリンピック種目となり競技を観戦できるのはいつなのか、予想してみました。
eスポーツがオリンピック種目になる日はくるのか?
近い将来、eスポーツがオリンピック種目に採用されるのではないかということが話題に上がっています。
オリンピックに最もレギュレーションが近いとされるアジア大会と前回開催された東京オリンピックの事例を参考にしながら考えてみたいと思います。
第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)
アジア競技大会とは、第二次世界大戦後にインドの提唱により始められた、アジアの国々のための総合競技大会です。
「アジア版オリンピック」とも言われています。
2018年8月18日からインドネシアで行なわれた第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ・パレンバン)では、eスポーツが競技として採用されました
ただし、本大会のeスポーツ部門は公式に記録されないエキシビションとして行われました。
このエキシビションは初の試みということもあり、今後のeスポーツが競技として続いていくかどうかを判断する上で大事な大会でした。
競技タイトルは、League of Legends、ウイニングイレブン 2018、伝説対決 -Arena of Valor-、StarCraft II: Legacy of the Void、ハースストーン、クラッシュ・ロワイヤルの6タイトルで、個人種目と団体種目に分かれて行われました。
オリンピック選考の重要な前哨戦と言われるアジア競技大会で、eスポーツが採用されたのは大きな一歩と言えるでしょう。
第19回アジア競技大会 (2022/杭州)
第19回アジア競技大会 (2022/杭州)ではeスポーツが正式種目として実施されました。
そのため、eスポーツ選手や業界関係者から大きく注目されました。
「Arena of Valor」、「Dota 2」、「Dream Three Kingdoms 2」、「FIFA」、「League of Legends」、「PUBG Mobile」、「Street Fighter V」の7ゲームを競技タイトルとして採用され、VRとロボットのゲームをデモンストレーションタイトルとして披露されました。
Asian Electronic Sports FederationのPresidentであるKenneth Fok氏によると、今回のeスポーツ採用は今後のオリンピックに向けた最終準備とのことです。
さらに「アジアeスポーツ連盟」は、オリンピックバリューに適合する一定の基準と要件に基づき、eスポーツタイトルを選定するシステムの確立とその導入にも大きな役割を果たすと言われています。
第19回アジア競技大会 (2022/杭州)はeスポーツにとって、次のオリンピックに影響をもたらす重要な大会であると考えることができます。
※なお、第19回アジア競技大会 (2022/杭州)は、コロナの影響で23年に延期となりました。
第20回アジア競技大会 (2026/愛知・名古屋)
第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)では、eスポーツが正式競技として採用されることが決定しています。
また、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の準加盟団体として承認されました。
これにより、JeSUは2027年3月31日までの期間、JOCの準加盟団体として活動していくことになります。
さらに、国際オリンピック委員会(IOC)もeスポーツに対する関心を高めており、積極的に若年層を取り込むための新たな競技としての取り組みを拡大しています。
Olympic Virtual Series (OVS)
国際オリンピック委員会(IOC)は、史上初の公式eスポーツ大会である「Olympic Virtual Series(OVS)オリンピック・バーチャル・シリーズ」を東京オリンピック直前の2021年5月13日~6月23日に開催しました。
このOVSでは、モータースポーツ、自転車競技、セーリング、野球、ボート競技の5種目のゲームが採用されました。
IOCのトーマス・バッハ会長は、「オリンピック・バーチャル・シリーズは、バーチャルスポーツの分野で新たな視聴者と直接関わりを深めることを目的とした新しい独自のオリンピック・デジタル体験です」と述べています。
その構想は、オリンピック・アジェンダ2020+5やIOCのデジタル戦略に沿ったものです。
特に若者にフォーカスしてスポーツへの参加を奨励し、オリンピックの価値観を普及させます」と述べています。
競技 | 主催団体 | 採用されたゲーム |
野球競技 | 世界野球ソフトボール連盟 | eBASEBALLパワフルプロ野球2020 |
自転車競技 | 国際自転車競技連合 | Zwift |
ボート競技 | 国際ボート連盟 | Open format |
セーリング | ワールドセーリング | Virtual Regatta |
自動車競技 | 国際自動車連盟 | グランツーリスモSPORT |
従来のスポーツ大会でeスポーツが正式なメダル競技として認められたことで、eスポーツの普及や発展、将来的にはオリンピック競技へとつながることも期待されています。
「オリンピックeスポーツシリーズ(OES)」
オリンピックeスポーツシリーズ(OES)とは、IOCが国際競技連盟やゲーム会社と連携して設立した、世界的なスポーツ競技大会です。
オリンピックeスポーツシリーズ2023は3月1日に予選ラウンドが開幕し、6月22日〜25日に対面形式による決勝戦がシンガポールで「オリンピックeスポーツウィーク」として開催されました。
競技以外にも最新テクノロジーの展示、パネルディスカッション、教育セッションなどが催され、大盛況のうちに幕を閉じました。
競技 | ゲーム |
アーチェリー | Tic Tac Bow |
サイクリング | Zwift |
射撃 | フォートナイト |
セーリング | バーチャルレガッタ |
ダンス | JUST DANCE |
チェス | Chess.com |
テコンドー | Virtual Taekwondo |
テニス | Tennis Clash |
モータースポーツ | グランツーリスモ7 |
野球 |
eスポーツがオリンピック種目になるとしたらいつから?
スポーツの祭典であるオリンピックは、常に大会の若返りを図っています。
IOCは、eスポーツの存在を軽く見てはおらず、時代の流れやトレンドをしっかりと理解して進めている姿勢が見られます。
では、具体的にeスポーツがオリンピックの正式種目となる話はどこまで進んでいるのでしょうか?
2024年パリオリンピック
AP通信は、2024年パリオリンピック招致チームがeスポーツの採用を検討していると報じました。
2024年パリオリンピック招致委員会のトニー・エスタンゲ共同会長は、「若者たちは確かにeスポーツに対して興味を持っている。彼らと会いたい、そしてお互いの架け橋となる部分を探していきたい」とコメントしました。
eスポーツの仕組みや急成長した背景について理解を深めたいと、積極的な姿勢で取り組んでいるようです。
IOCは、次回の2024年のパリオリンピックでeスポーツを正式種目に採用することは、まだ時期尚早としています。
ただし、東京オリンピックで開催されたOVSがパリでも開催されることが決まっているため、結果次第では2028年ロサンゼルスオリンピックで正式書目への採用もあり得ます。
2024年6月、IOCは2024年パリオリンピックの期間中に開催される第142回IOC総会に向け「オリンピックeスポーツゲームズ」の創設を正式に提案したと発表しました。
トーマス・バッハ会長は「オリンピックeスポーツゲームズの創設でIOCは大きな一歩を踏み出し、デジタル革命のペースに追いつこうとしています」とコメントしています。
オリンピックeスポーツゲームズは、国際競技連盟と連携して取り組みが開始されています。
また、eスポーツを活動内容に含める国内オリンピック委員会もパートナーになる見込みです。
2028年ロサンゼルスオリンピック
2028年ロサンゼルスオリンピック招致委員会のケイシー・ワッサーマン委員長は、eスポーツの推進者として知られています。
ゲーム大国のアメリカとしてもeスポーツが初採用されるオリンピックにしたいという願望はあるはずです。
eスポーツが競技として採用されるのは、様々な整備が整う2028年のロサンゼルスオリンピックがベストタイミングかもしれません。
2032年ブリスベンオリンピック
以降に続く2032年ブリスベンオリンピックでは完全な体制が敷かれ、eスポーツが華やかに盛り上がっていることでしょう。
eスポーツなら今からオリンピック出場も夢じゃない!
このように、eスポーツがオリンピック種目に採用されるのはまだ少し先の話ですから、逆に考えると今からでもがんばれば出場できるかもしれないというチャンスがあります。
今からeスポーツでオリンピック出場を目指すには何が必要なのでしょうか?
まずは、OVSで採用されるタイトルを練習するのが最適だと言えます。
その他にもスポーツとしての競技ルールなどを学んで準備しておいた方が良いでしょう。
今のところeスポーツにおける年齢制限はないようですので、予選や選考会などのeスポーツイベントには積極的に参加していきましょう。
東京ヴェルディeスポーツ・名古屋OJAはオリンピック分野でも第一線で活躍すべく、日々トレーニングや情報収集を行っています。